もうかなり前の話になりますが、新婚旅行は、コツコツ貯めたお金を一気に吐き出して、ハワイに行きました。マウイとオアフ半々でした。私も妻も、どちらにとっても初めてのハワイでした。
マウイのホテルは、ものすごく大きなホテルで、数多くのプールと自然で溢れていました。数歩歩くとオウムが出迎えてくれ、広大な中庭には色とりどりの綺麗な鳥が放し飼いにされていました。
ある日、小さな池に面したオープンテラスのレストランで夕食をとっていたら、同じ色の2羽の鳥が目に入りました。フラミンゴと白鳥のあいのこみたいな鳥でした。どうやら陸にいるのがメスで、池に足をつけているのがオスみたいです。
気になって箸を、というかナイフとフォークを止めて見ていると、オスが羽をバサアァーっと広げ、歌のような鳴き声と共に踊り出しました。
いわゆる求愛行動です。
ロマンチックな夕日、最高のロケーション、そしてレストランでかかるハワイアン音楽が最高のBGMとなって、オス鳥を応援します。
ところが、、、
メス鳥は、しばらくすると後ろを向いて歩き出し、いなくなってしまいました。
視線の先には呆然と羽を広げたオス鳥が残されていました。2〜3秒後に羽を閉じ、ガッカリした感じで飛んでいきました。
まるで人間の男性がナンパに失敗して振られたみたいなシーンでした。鳥も同じなんですね。
で、何日かマウイで過ごし、オアフに移りました。
妻の憧れのホテルに泊まります。ただ、手配してくれた旅行会社の関係で、近くのホテルでまず説明を受ける事になりました。自然で一杯の中庭を歩いて目的のホテルに移ろうとした時、白いものが降って来て、妻の肩のあたりで音がしました。
鳥のフンだ!!!
何と妻が見事に被弾してしまい、真っ白なフンが妻の左肩から胸にかけて広がっています。
妻はドレスが汚れたショックと恥ずかしさで、今にも泣かんばかりです。
するとコーディネーターが、私たちに少し待つように言い、フロントでコンシェルジュと交渉を始めました。
その後案内された部屋は、何とスイートルームでした。バスルームが2つある、本格的な部屋です。妻の機嫌もすっかり直りました。
普通では絶対に泊まれない豪華な部屋で、最高の想い出が出来ました。
とにかく鳥が印象に残る、新婚旅行でした。